IGES(Initial Graphics Exchange Specification)ファイル形式は、コンピュータ支援設計(CAD)システム間でのデジタル情報交換を可能にするベンダー中立のファイル形式です。主に、2Dおよび3Dのジオメトリデータに加え、注釈、寸法、製造情報などの非幾何学的な関連データを、異なるCAD/CAM/CAEソフトウェアパッケージ間で転送するために使用されます。IGESファイルはデータをASCII形式で保存するため、プラットフォームに依存しないという特徴があります。長年にわたり広く使用されてきた標準規格ですが、複雑な形状の表現における制限や、変換時のデータ損失の可能性があるため、現在ではSTEP(Standard for the Exchange of Product Data)などの新しい形式に大部分が取って代わられています。しかし、レガシーシステムや新しい形式をサポートしていない古いソフトウェアとのデータ交換において、IGESは依然として重要な役割を果たしています。この形式は、線、円弧、スプライン、サーフェス、ソリッドなど、多様な幾何学的エンティティをサポートしています。仕様書では、これらのエンティティとその関係性を表現するための構造化された方法が定義されており、異なるCADシステムがデータを正確に解釈・表示できるようになっています。その歴史の長さにもかかわらず、特定のシナリオにおける相互運用性のための有用なツールとして、現在も活用され続けています。